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旅、ときどきネコ

cestopis.exblog.jp

個人旅行、一人旅大好き。デジタル一眼レフによる旅先の思い出を中心に時々ネコの写真です。09年11月から半年間はドイツ滞在記をupしていました。

真心をあなたに

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パリの花屋さんのウィンドー。多重露出のような不思議な写真ですが、普通にウィンドーを撮っただけです。

わたしの目から見たドイツには、毎日のように新しい発見や気づいたことがありました。反対に、外国の方から見た日本はどう見えるんだろう?そう思い、ランチに行くとついついミハエルくんに聞いてしまいます。
「日本に来て驚いたこと、ドイツやイギリスと違うなあと思うことってある?」と。

「そうだなあ。…よく言われることだけど、やっぱり日本の人たちはpoliteで丁寧だと思う。すごく感じがいいよね」たしかに外国旅行客のよく言うセリフですが、具体的にはどういったところなんだろう。
「たとえば、着いて早々の話だけどさ。成田空港からシャトルバスに乗ろうとしたとき、係員の人がさっとスーツケースを持ってバスの中に入れてくれたし、バスが出発するときにはお辞儀して見送ってくれたり」そういえばそうだっけ?飛行機がゲートから離れるときには、整備員の人たちが一列になってお辞儀してくれるのはわたしも覚えてるなあ。
「レストランを出るときには、お店の人が声をそろえて”アリガトウゴザイマイター”って言ってくれるしさ」当たり前すぎて気に留めてなかったけど、たしかにヨーロッパにいるときに大声でThank you!なんて言われたことないわ。

でもそういえばわたしも、帰国早々日本の接客レベルの高さに驚いたものでした。


前回の記事で書いた通り、ドイツから帰国時には大きなダンボール三箱をDHLで送りました。通常税関は無申告でそのまま通過しますが、別送品がある場合には申告書を二部書いて一部自分で保管、もう一部は税関に提出します。別送品とは”入国の際に携帯せず、郵送などの方法により別に贈った荷物(引越荷物を含む)”と定義されています。つまり、外国から自分宛に送った荷物ということですね。個人輸入でも場合によっては課税されますが、別送品の場合は無課税です。誤って課税された場合も、この申告書があれば税金が戻ってきます。

税関に申告書を提出したときのこと。今回は係員の方から「空港を出る前に何か別途手続が必要かご確認ください」と言われました。ん?そんなこと今まで言われたこともないけど、何をすればいいんだろう。
「出口正面に空港総合カウンター、右手に手荷物宅配などの業者がありますのでそちらでご確認ください」
なんだかよくわからないけど、とりあえずそこに行けばいいのか。

しかし、業者さんたちは自分の会社のことは知っていても、DHLのことについては知りませんでした。なるほど、こういうときに日通の海外引越パックが何かを使っていれば楽だったのかも。仕方なく、案内カウンターに来ました。

「あのー、かくかくしかじかこういう事情なのですが、どういった手続をすればいいんでしょうか」
「少々お待ちくださいませ」おねーさんも困った様子。ドイツからDHLで別送品を送った際の手続方法なんてそんなピンポイントな質問をされること、まずないのでしょう。そりゃそうだ。
しばし待ったあと、声をかけられました。
「空港内の担当の部署に電話をしたのですが、担当者が今不在の模様でして。折り返し電話がありますので、おそれいりますがそれまでお待ちいただけますでしょうか」ええっ?わざわざ電話してくれたんですか??ドイツだったらこういうとき”担当部署はここじゃないから、あっちに行って。はい、次の人!”なーんて、追い払われそうです。このおねーさん、なんて親切な方だ。
「以前もDHLでドイツから荷物を送ったことがあるんですけれども、そのときは郵便局の方が配達してくださったように思うんです。空港内に郵便局関係の方はいらっしゃいませんかね?」余計な仕事を増やしちゃったかなあ。でも、郵便局があればそこの方に聞いた方が話が早い気もするし…。

「お客さま?」少しして、再び声をかけられました。「管轄の郵便局とDHLの最寄営業所の電話番号がわかりましたので、お客さまからお電話していただけますでしょうか。大変申し訳ありませんが、折り返し電話がかかってくるかもしれないので、こちらの電話回線をふさげないものですから」本当に申し訳なさそうな様子です。郵便局やDHLの連絡先を調べるって、成田空港内の案内という域を外れてるんじゃなかろうか。それにわざわざ電話を使えない理由を説明してくれるなんてなあ。わたしの用事なんだから、わたしの携帯でかけて当然だろうに。

結局DHLと郵便局両方にかけたところ、空港での手続は不要ということがわかりました。後日荷物が宅配された際、もし関税がかかっていれば税金を取り戻すためには申告書が必要となるだけだそうです。

「…と、これこれこういうことでした。多分めったにいないとは思いますが、もしドイツからDHLで荷物を送ったという人が次にカウンターに来ることがあれば、参考になさってください」状況を報告しました。
「ありがとうございます。お力になれず申しわけありません」お、お力になれず??
「いーえー!すっごく助かりましたよ!!こちらこそ本当にありがとうございました」お世辞ではなく、心からの言葉です。

帰国早々、ほっこりでした。空港は特に外国の方にとっては初めて出会う日本。こういった方がいるんだったら、最初から好印象でしょう。日本のサービス業の方って、すごいなあ。日本に帰ってきたことが嬉しくなる出来事でした。

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by monisha | 2010-06-18 00:18 | 日本再発見

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