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旅、ときどきネコ

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個人旅行、一人旅大好き。デジタル一眼レフによる旅先の思い出を中心に時々ネコの写真です。09年11月から半年間はドイツ滞在記をupしていました。

ロシア行きの理由

思いつくまま、気の向くままに文章を書いているので、順序がおかしなことになってしまいましたが、今年のゴールデンウィークにフランス→イギリス→ロシアと不思議な組み合わせで旅行することになった経緯です。

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夜のボリショイ劇場

それは、去年の秋のこと。六月の来日公演ですっかりシュトゥットガルトバレエに魅了されたわたしは、年末年始の休暇を使い、本拠地に行ってバレエ漬けになる予定でした。数年前ボンに住んだことがあるため、旅行地としてのドイツには正直それほど魅力を感じませんでしたし、演目がドンキホーテなのは少々残念でしたが(どうせならクランコかノイマイヤーが...)、それでもジェイソン・ライリーさん見たさに行く気満々でした。
しかし。九月に入った頃からわけがわからなくなるくらい、仕事は忙しくなっていき、旅のことを考える余裕などとてもありません。また、公演の日程は決まっていますしチケットは売り出されているものの、キャストは発表されず。そりゃ、どのダンサーが出演しても素晴らしい舞台になるとは思いますが、でもわざわざドイツ、しかも直行便のないシュトゥットガルトまで行ってお目当てが見られなかったらねえ。...とかうだうだしているうちに、気づいたらどの公演も売り切れ。フライトだけは仮おさえしていたので、なんとかならないものかと劇場窓口に国際電話したりメールを送ったりしましたが、一切戻りもないとのこと。
......。
もっと早く行動しておけばよかった。せっかくの長い休みだったのに...。とたいそう後悔したわたしでした。

ところでシュトゥットガルト歌劇場のチケット窓口のおねーさん、大変愛想が悪かったです。複数受付の方がいるようですが、ドイツ語しかわからない方がいるようで、初めて電話したときは「Hello?」と話しかけると、二秒くらいの沈黙の後にガチャっと電話を切られてしまいました。二回目は電話こそ切られなかったものの「英語わからないって言ってるでしょ!ドイツ語で話しなさいよ!」と怒鳴られました。わたしもドイツ語わかりませんが、ニュアンスと単語だけは聞き取れるものです。怒ってる雰囲気って、万国共通ですね。もしシュトゥットガルトのチケットを買うのであれば、ドイツ語ができない方の場合、電話ではなくネットで購入することを強くお勧めします。高い国際電話で、あの冷たい対応には正直へこみました。三回目にかけたときは、英語を話すおねーさんが優しく対応してくれましたが。

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劇場前の噴水

とまあ、こういった経緯があったため、わたしは決めました。次に何かやりたいことや見たいものがあった際には、さっさと、とっとと行動しようと。間際に何かしようとすると、余計な手間はかかるし、手間ばっかりかかった挙げ句に報われないかもしれないし、ろくなことはありません。

そこで、お正月休みに2013年のバレエ団公演スケジュールをじっくり研究しました。①まず、わたしが見たい演目。②次に、ある程度まとまった休みのとれそうな時期。③そして、公演と公演の間隔。連日、あるいは一日おきに公演がある場合は一度の滞在で何回か舞台が見られそうですが、間に三日くらい空いてしまうと、何日も連泊するか、周辺都市を周遊してから戻るかしないと、厳しい状況です。

といったことを考慮すると、第一候補は五月頭のモスクワツアーになりました。
......。モスクワかあ。ドイツのバレエ団に所属するカナダ人のダンサーを見にロシアに行くって、何とも不思議な状況です。

でも、①の見たい演目はクリア。今回のモスクワツアーではロミオとジュリエットも、ガラもどちらも見られます。全幕もので物語バレエにどっぷり浸かり、美味しいどこどりであるガラで多彩なプログラム、多彩なダンサーが見られるとは一度の滞在で全然違うテイストのものが味わえる、素晴らしい機会です。もしR&Jでジェイソンがロミオ役でない、あるいは出演しなかったとしても、ガラにプリンシパルが出ないことはまずないだろうから、確実に見られそうです。そして、ゴールデンウィークまっただ中ということで②のまとまった休みという項目もクリア。③の公演と公演の間隔も完璧。R&Jは二公演続けてですし、ガラもそこから一日空けて二公演連続。...文句の言いようがないスケジュールです。

唯一不安なのは、行き先がロシアだということ。EU圏内+αだったら、一人でどこに行くのも平気ですが、ロシアに一人ではねえ。アルファベットじゃなくてキリル文字だから全然看板とか読めないだろうし、ロシアでは英語が話せる人は少ないって聞くし...。なーんか、不安です。かといって、バレエを見るためにわざわざロシアに行ってくれそうな友達がいるかというと...。何かのついでにバレエも見ない?というノリだと行ってくれるかもしれませんが、バレエがメイン、しかもロシアのバレエ団ではなくドイツのバレエ団というと、向こうもかなりバレエ好きではないとなかなか難しい状況です。かといって、これだけ条件がそろうというのもなかなかなさそうな機会なのに、諦めるのももったいない話です。ひょっとしたら来年は仕事が忙しすぎてゴールデンウィークにも休みがとれない、なんていうことになっているかもしれませんし。
まあ、うじうじ悩むのも面倒だ。もう行っちゃえ!

...ということで、ゴールデンウィークにロシアに行くことは決まりました。そこに何故フランスとイギリスもくっついたかはまた明日。

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青空に映える劇場

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劇場の中央に飾られたこの像、アポロだそうです。あんまり顔がきれいなので、わたし、女神かと思っていました...。女神が馬車だなんてえらい勇ましい、戦いの神?...とか勝手にいろいろ想像を働かせてしまいました。
ところでボリショイ劇場が再開した折にはこの像についてちょっとしたひと悶着があったそうで。ソビエト時代はずっとなかったのに、なぜわざわざイチジクの葉がつけられたの?と。なんでも19世紀に建造された当初にはしっかり葉っぱがあったそうですが、第二次世界大戦後にいつの間にか落ちてしまっていたそう。そしてその後ずーっと修復されなかったので、モスクワっ子の間では葉っぱがないのがむしろ当たり前になっていたそうです。100ルーブル紙幣に描かれたボリショイ劇場のアポロは、葉っぱなしバージョンだとか。…知っていたらお札の写真を撮っておいたんだけどなあ。

by monisha | 2013-06-17 23:47 | 舞台

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