旅、ときどきネコ

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個人旅行、一人旅大好き。デジタル一眼レフによる旅先の思い出を中心に時々ネコの写真です。09年11月から半年間はドイツ滞在記をupしていました。

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ロンドンのMontague on the Gardens。重厚なインテリアです。

イギリスに滞在した五泊の間に、スコーンを三度食べる機会がありました。一度は、ヨークの人気ティールーム「Betty’s」で。二度目は、ヨーク郊外にあるカントリーハウス、Castle Howardの「Courtyard Cafe」にて。そして三度目は、ロンドンの大英博物館近くにあるかわいいホテル、Montague on the Gardensにて。さて、この三ヶ所のうち、どこで食べたクロテッドクリームが一番美味しかったでしょうか?

...とクイズを出してみると、「うーん。人気ティールームっていうのはポイント高そう。ベティーズ⇒ロンドンのホテルのアフタヌーンティー⇒観光地のカフェ...かなあ?」もしくは「やっぱりロンドンの一流ホテルが一番ちゃう? ロンドンのアフタヌーンティー⇒地元での人気ティールーム⇒もうひとつのところ...な気ぃするなあ」というリアクションが多いように思います。

もっとも、一番多い反応は「は?くろてっどくりーむ?それなんですか?」というものですが。...そりゃそうかも。紅茶好きかスコーン好ききじゃなかったら、馴染みがないもので当然なのかもしれません。
食べ物は何でもそうかと思いますが、食べたことのない方に味を説明するのは大変難しいことです。「くろてっどくりーむって何?」そう聞かれると、苦心しながらこんな感じに答えています。

「えっと...色や質感からして見た目はバニラアイスみたいな感じ。お店で食べると、まあるくこんもりした状態で盛りつけられていることが多いので、知らない人だったらまさしくバニラアイスにしか見えない!...と思うかもしれません。まあどちらも乳製品ですしねえ。固さは生クリームとバターの中間くらいっていえばいいのかなあ。あ、でも生クリームでもバターでもたっぷり食べると胃もたれするっていうか、しつこい感じするじゃないですか?クロテッドクリームは意外とあっさりしてるんですよ! 決してしつこくないんです!!でもただのあっさりじゃなくて、しっかりコクがあるっていうか...。まあ、あっさりといっても実は相当の脂肪分、コレステロール、カロリーだと思われますので、腹もちがめちゃくちゃよくて...。ほら、上等のダブルクリームのチーズを食べるとその場では結構さくっと食べられるけど、後からお腹ふくれてくるじゃないですか?あれと似ているかもしれません。一言でいうと、さりげなくくせになる味なんですよ~」
好きなものの話となると、えっらく饒舌になるわたしです。
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イギリスで紅茶を頼むと、ミルクをたっぷり持ってきてくれるのが嬉しいところ。日本の喫茶店ではちょっぴりしかくれないのですが、わたしはなみなみと注ぐのが大好きです。神保町のタカノでなみなみミルクティーを飲んで以来、ずーっとなみなみ派です。

わたしの解説だと感情的すぎてよくわからないかと思いますので、Wikipediaを抜粋するとこうです。

「ナッツのような香り、牛乳を温めた香り」「濃厚で甘い」と表現される。乳脂肪分が極めて高く、最低55%、平均64%。その脂肪分の高さから、アメリカの法律上ではバターに分類される。人気は高いものの、その賞味期限の短さからほとんど輸出されていない。飽和脂肪酸が多いため、健康に悪いと評する栄養士もいる。100gのクロテッドクリームは586キロカロリーであり、200gのチーズバーガーに相当する。

倍の重さのチーズバーガーのカロリーに匹敵って...。知らぬが仏なことを知ってしまいました。

で、このクロテッドクリーム、紅茶と一緒に熱々のスコーンと苺ジャムと一緒に食べるのが定番です。時々ブルーベリージャムやラズベリージャムも見かけますが、林檎ジャムやマーマレードと一緒に...という組合せは見たことがないかも。スコーンの熱さにとろーりひんやりとしたクリーム、甘酸っぱいジャム...最高です。書いてたら食べたくなってきました。

さて、冒頭の質問に戻りますが、三ヶ所のうち最もクロテッドクリームが美味しい!...とわたしが感じた場所はどこでしょうか。

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こちらはBetty's。人気店だけあって大行列。ヨーク市内に二軒あるうち、ステンドグラスが素敵な方は列があまりにも長すぎるので諦めました。
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Castle Howard。スコーンを主役にした写真のため、肝心のクロテッドクリームがはっきりと写っていません...。
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Montague on the Gardens。こうやって比べると、ディスプレイ方法が明らかに一番洗練されていますね。


...正解は、カッスルハワードのカフェ。二位と三位はあまり大きな差はありませんが、強いて順位づけをすると、二位がモンタギューホテル、三位がベティーズです。とはいうものの、決してベティーズのクリームがまずかったわけではありません。前日ベティーズに行ったときは「...なんておいしい!ミルクティーとスコーンとクロテッドクリームとジャムの四位一体!いや、紅茶と牛乳を分けて考えるならば五位一体!もう最高!イギリスの食べ物はまずいって言うたんは誰や!」という勢いでした、わたし。でも、カッスルハワードでクリームを食べた瞬間、「あれっ?」と思ってしまいました。

「Oさん、Sさん。このクリーム...気のせいか、昨日のベティーズより美味しくないですか?あちらの方が有名店なのに」
「そう?どっちもおいしーねー」とOさん。
「わたしはそもそもパンとかにあんまりバターをつけない方だから、食べ慣れてないしよくわからないかも。そうなの?」とSさん。口が卑しいのはわたしだけ?
「昨日が美味しくなかったわけじゃ決してないんですよ~。でもこっちの方が絶対美味しく感じる。まあ、ただ単にわたしの口にあっているだけかもしれないですけどね」
「だいじょーぶ!」Sさんがわたしの背中をどーんと叩きました。「口にあったのは猫島ちゃんだけじゃないって。隣りのテーブルのおじさんの口にもあってたみたい」
「あ、やっぱり目に入りました?」わたしたちが料理が来るのを待っていた間、隣りのテーブルではクリームティー真っ最中。初老のご夫婦がスコーンを召し上がっていました。おじさん、よっぽどクリームが口にあったのか、ナイフを器用に使って容器からクリームをこそぎとって、最後まできれーに片付けていました。あまりにきれいな片付けぶりを、じっくり見たら悪いかなあ思いつつ、こっそり観察していたのはわたしだけじゃなかったんですね。
「いやー、おじさんの気持ち、わかりますよ~。わたしもきれいに隅々までクリーム食べたいですもん」

この後ロンドンで食べてクリームも美味しかったのですが、わたしの中ではコートヤードカフェで食べた味には敵いませんでした。メーカーによってクリームの味がずいぶん違うんでしょうね。日本に戻ってからスコーンが恋しくなり、中沢のクロテッドクリームを買いましたが、あっさりしすぎているのとクリームが柔らかすぎるということで、なんだか頼りなく感じてしまいました。以前食べたときは美味しく感じたのですが、イギリス直後は分が悪かったのかもしれません。

というわけで一言でクロテッドクリームといっても、同じイギリス国内でもそれぞれのようです。イギリス旅行の際、アフタヌーンティーを複数回というのは金額的にも胃袋的にもきついかもしれませんが、クリームティーだったらもっと気軽に試せるはず。是非、異なるクリームの味を比較しご堪能ください。

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これもMontague on the Gardensの写真。実際にアフタヌーンティーを頂いたのは、こちらででした。
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by monisha | 2013-06-15 23:29 | York
先日、『ダークナイトライジング』を見に映画館に行きました。IMDB (Internet Movie Database)でも日本の映画サイトでも、あまりにも評判がいいので気になって気になって。三部作のラストなのに、一部も二部も見てないけど大丈夫?話についていける??と、心配しましたがノープロブレムでした。
いやー、めっちゃおもしろかったです。三時間弱があっという間、眠たくなったり、退屈する暇は一切ありませんでした。大満足です。でも、前作までのネタバレがいろいろと含まれているので、せめて第二部のダークナイトだけは先に見てから行けばよかったなあとちょっと後悔。わたしのように、これまでバットマンを見たことがないけどダークナイトライジングだけは見たくて...という方は、先にダークナイトを見ることを強くお勧めします。

前作で肉体的にも精神的にもボロボロになったバットマンことブルース・ウェインは、物語序盤、Wayne Manor(ウェイン邸)に引きこもった姿で現れます。やつれているし無精ヒゲだし、全体的によれよれで、せっかくの男前が台無しの悲しい姿です。そんなブルースのお屋敷でのシーンを見ていたところ、あることに気づきました。

あれ?今ブルースの後ろに映っている暖炉、ロバート・アダムのデザインっぽい?美術さんがロバート・アダム好きだとか?元々ウェイン家はイギリスからの移民の家系とかっていう裏設定でもあるんかなあ?
ロバート・アダムは18世紀に活躍したスコットランド出身の建築家兼インテリアデザイナー兼家具デザイナー。人気が高く著名な方で、存命中は多くの貴族からカントリーハウスの建築を依頼されました。ロンドン近郊で見られるアダムの作品は、オスタリーパークやサイアンハウスなど。わたしも今年のGWにオスタリーパークというカントリーハウスを見に行って来ました。
...って、ちょい待った。さっき映った暖炉、オスタリーパークで似たようなのなかったっけ?それとも、アダム様式は特徴があるからそう見えるだけ?

一瞬、そう気になりなりましたが、映画はどんどん進んでいくのでセットではなく話に集中するしかありません。そうこうするうちにブルースと執事のアルフレッドの二人のシーンです。

アルフレッドって「ザ・執事」って感じやなあ。ご主人さまを"master"って呼ぶのがめっちゃいいわあ。あー、それにしてもあのギリシャっぽい壺、本当にオスタリーっぽいわあ。玄関ホールにあんなんあったなあ。そうそう、玄関ホールはこんな感じの淡いグレイで...って、これ正しくオスタリーやん!ええっ!!あそこでロケやってたん!?

つい数ヶ月前行ったばかりの場所が、超有名映画のロケ地として使われていたことに気付き、大興奮のわたしでした。

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映画のスチル写真。
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これがオスタリーのエントランスホール。ブルースとアルフレッドさえいれば、映画そのものです。

映画が終わってからIMDBでダークナイトライジングのロケ地情報を見ると、ウェイン邸内部にはオスタリーパーク使用としっかり書かれていました。あの特徴ある外観は、Wollaton Hallという別の場所だそうですが。
わたしが「ああっ!!」と最初に気づいたのは玄関ホールのシーンでしたが、洞窟への道が隠されている図書室の本棚もオスタリーのもの。きっとわたしが気づかなかっただけで、セリーナと初めて会う金庫のシーンも、アルフレッドがブルースを諭そうとする階段のシーンもそうだったのかもしれません。...DVDに落ちたら借りてチェックしようっと。

今、オスタリーではダークナイトライジング公開を記念してFrom Real to Reel(現実からフィルムへ)という特別展が開かれています。ダークナイトライジング以外にも、キーラナイトレイ主演の『ある公爵夫人の生涯』、『ヴィクトリア女王世紀の愛』など、このカントリーハウスは様々な映画の舞台になっているそうです。


オスタリーはロンドン市内から一時間弱、しかも電車で簡単に行くことができます。駅からは少し歩きますが、天気の良い日でしたら気持ちのよい散歩コース。バットマンファンの方でしたら、ちょっと変わったロンドン観光としてロケ地を訪ねるのはいかがでしょうか。併設のカフェもなかなか美味しく、家庭風イギリス料理が楽しめます。

もしオスタリーに興味をもたれたら、このあたりに詳細記事を書いていますのでよろしければどうぞ。

屋敷内について
2012ロンドン旅行9:新古典主義の館
2012ロンドン旅行10:紳士淑女のハウスパーティー
2012ロンドン旅行11:王に捧げた寝室

カフェについて
2012ロンドン旅行5:イギリスはまずくない~後編


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by monisha | 2012-08-22 00:06 | 映画
エキサイトブログでは、サイトに辿り着かれた方がどういったキーワードを利用したのかがわかるようになっています。時々、なぜこの言葉で??と首をかしげたくなるものもありますが、わりとコンスタントに登場するのが「ひとりでアフタヌーンティー」。2010年にロンドンに行ったとき、ランドマークホテルで一人ティーしたのでそのときの記事が検索に引っ掛かるみたいです。
ロンドン旅行7~アフタヌーンティー前編
ロンドン旅行8~アフタヌーンティー後編

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Four Seasons Hotel Park LaneのEnglish Afternoon Tea。一人32ポンドなり。...いいお値段です。スコーンは上の段にある白いナプキンに冷めないように包まれています。ケーキはある程度スコーンとサンドイッチが減ったところで、持ってきてくれました。

ロンドンに一人旅するので、せっかくだからアフタヌーンティーしてみたい。旅行自体には友達と行くけれども、途中で別行動するときに一人アフタヌーンティーしたい。出張でロンドンに行くので、空き時間にアフタヌーンティーしたい。最近ロンドンに引っ越したので、まだ知り合いは少ないけど一度アフタヌーンティーしてみたい。
...なんて方が検索するのかなあ、と想像しています。

ひとりでアフタヌーンティーしても何ら問題ないと思います。
少しドレスアップして、美味しいお茶、たっぷりクロテッドクリームをのせたスコーンに苺ジャム、サンドイッチなどを食べながらのんびり過ごす...そういった状況に憧れを少しでもお持ちでしたら、是非ともチャレンジを。せっかくやりたいという気持ちがあるのに、周りの目が気になるとか、恥ずかしいといった理由で諦めてしまうのは少しもったいないような気もしますし。

...とはいっても、一人アフタヌーンティーをしても浮かない?おかしくない?変な目で見られない?と心配する方は世の中結構たくさんいるみたいです。似たような相談をしている英語サイトを見かけました。

Trip Advisorにあったタイトルそのまんま、"Can you do afternoon tea alone in London"というポスト。
Trip Advisorでもうひとつ見つけました。"Afternoon tea for the solo diner"というポスト。一人旅をしているひとのことを"solo traveller"というように、一人ご飯するひとのことを"solo diner"と呼んでいます。

両方のポストで共通しているのは、投稿者のみなさん"Go for it!"=「やっちゃいなよ!」という励ますような明るいトーンであること。ロンドンは大都会だからお客さんは他人のことなんて気にしていないよ、わたしもやったことあるけど居心地悪く感じたことない、自分がアフタヌーンティーしているときに地元客らしき一人客見たことあるよ、等々の意見がありました。

他のお客さんのことを周りは気にしていないというのは、本当だと思います。すごーく素敵な場所なのにあまりにも汚い服装でいたらちらっと見るかもしれませんし(と言いつつ、わたし自身スニーカーでランドマークホテルに行ってしまいましたが。...すみません)、あまりにもはしゃいでいたらそちらの方に自然と目が行ってしまうかもしれませんが、あくまでもチラ見程度。一人客の方が静かにお茶をしているからといって、じろじろ見ることはまずありません。その方がめーっちゃ美人もしくは男前でしたら、違う意味で気になってチラ見することはあるかもしれませんが...。

Trip Advisorでもうひとつみなさん共通していたのは、人気・有名ホテルは予約した方がいいよ、ということ。たしかに、せっかく行ったのに満席ですとかなりがっかりです。でも、ホテルに直接メールもしくは電話は敷居が高いですよね。そういった方には、アフタヌーンティー専門サイトがあります。名前はストレートに、Afternoontea.co.uk。各ティールーム営業時間、メニューの価格、空き状況などが載っていてとても便利。25%オフ、シャンパン無料サービスなど期間限定キャンペーンが掲載されている場合も。今は五輪期間中で市内は閑古鳥がないているせいか、どこも大サービス中です。

どうぞ楽しいティータイムを!

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by monisha | 2012-08-10 20:30 | London

五輪開幕!

明日からロンドンオリンピック開幕ですね。
ゴールデンウィークにロンドンに行ったときに見かけた、五輪関係の写真いろいろです。
今回は文字ほとんどなしでひたすら写真だけの記事です…。

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トラファルガー広場にあった、オメガ提供の時計。このときはまだ残り91日もありましたが、今はゼロになっているんでしょうね。

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地下鉄で見かけたポスター。ジュビリーライン、セントラルラインが五輪中は特に混むので、迂回した方が早いかもしれません、との告知です。この妙にリアルな絵柄、アメコミっぽい?

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同じシリーズ。公共交通機関を使うよりは、歩いた方が早い場合もあります。

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時差通勤等推奨。

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一部の駅は激混みです。

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一部路線に支障が出ます。

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by monisha | 2012-07-28 00:37 | London
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クリスマス前になると、アメリカではチャリティー活動が盛んになります。ブロードウェイもその例外ではありません。どのミュージカルでもカーテンコールの後に、俳優さんが観客にチャリティーへの参加を呼び掛けていました。
ウェストサイドストーリーでは、俳優さん達がチャリティーCD(様々なミュージカルが一曲ずつクリスマスソングを提供したコンピレーションアルバムでした)をロビーで手売り。買った人は、俳優さんとのツーショットの写真を撮ることが出来ます。わたしもCDを買って、ジェット団のかっこいいおにーさんと撮ってもらいました。
チャリティーCDはどの劇場でも共通して売っていましたが、その他にもミュージカルごとに独自企画が。たとえば、ライオンキングでは500ドル(...くらいだったと思うけど、正確には記憶していません)寄付してくれたお客さん先着二組を、スカー役の俳優さんが希望日に劇場のバックステージツアーを行ってくれるという豪華なもの。値段と内容のインパクトがあったのでこれしか覚えていませんが、他にもプランがありました。
そして、ビリーエリオットでは全キャストのサイン入りポスター。50ドルくらいだったかも。高いなあと思いつつ、でもクリスマスだしチャリティーだし...と買っちゃいました。



私的ミュージカルランキングはこちらからどうぞ。
2010年に初めてロンドンでビリーエリオット・ザ・ミュージカルを見たときの感想はこちらこちら

ライオンキングマンマ・ミーアもこれだけ褒めているのに、では何がビリーエリオットに敵わなかったか。
どちらも見た後にあー面白かった!とは思っても、心揺さぶられるような感動はありませんでした。ビリーエリオットは何回でも見たいと思いますが、ライオンキングとマンマ・ミーアはリピートすることはないでしょう。楽しかったけれども、せっかくだから次回は別のミュージカルを見たいので。この違いは一体何なのか。

ライオンキングとマンマ・ミーアは、どちらもシンプルな筋書きです。

ライオンキングはディズニー原作なので仕方ないのかもしれませんが、いいものと悪者がくっきり分かれています。(英語では"the good guy and the bad guy"とよく言いますが、日本語で悪者の反対って何でしょう?善人というとお人よしみたいだし...。正義の味方?)いいもののお父さんが悪者の叔父さんに殺されちゃった、成長した息子が仇をとってめでたしめでたし。初恋の相手と結ばれるし、王国のみんなも大喜び、最後には後継ぎまで生まれて万事オーライ。

マンマ・ミーアも現実的でない展開とはいえ、シンプル。結婚する前に実のお父さんに会いたいわ、だからお父さん候補全員島に招いちゃった。途中彼とケンカもしたけど無事仲直りしたし、結局お父さんが誰かわからないけど、みんな娘扱いしてくれるからハッピー。お母さんも仲間たちも、彼が出来てみんなハッピー。万事オーライ。

では、ビリーエリオットが複雑かというと、やっぱりシンプルなんですよね。少年が自分の情熱を傾けたいものをみつけた、一時は諦めかけたけれども周りの支援によって夢を叶えられることに。一文で説明できます。でも、前者二つとは違う点があります。

ひとつは、万事オーライではないこと。ビリー自体はロイヤルバレエスクールに旅立ちますが、お父さんとお兄さんは結局ストライキが成功せず、挫折と悔しさを抱えながら炭鉱に戻ることになります。ストライキ以前より状況が改善したかというと...精一杯やったし、誇りは失われなかったという思いはあるでしょうが、経済的には厳しい状況です。

ふたつめは、登場人物たちが葛藤に悩んでいること。ビリーは自分の情熱と自分の属するコミュニティーの常識との狭間で。お父さんは息子への愛とコミュニティーへの忠誠心、バレエへの偏見、炭鉱夫としての誇りとの間で...と、揺れる心が伝わってきます。
ライオンキングでも、今まで一緒だったザズーとティモンとの暮らしからの変化を恐れる気持ちと、王である父の息子としての誇りや義務感などからのスカーとの対決をとるべきか、ふたつの思いの間でシンバが迷うシーンはあります。が、拍子抜けするくらいあっさり解決。すぐに答えが出ます。それに、どちらが「正解」なのかは明白。「勇気がいる選択だけど、シンバは主人公だからこちらを選ぶんですよ、ほら!」と言われている気になります。

深く考えるためというよりも、楽しむためにミュージカルに来ているわけですが、やはり物語としての厚みや登場人物の奥行きがある方が、心に残るように思います。ミュージカルに限らず、小説や映画でも、struggleやconflict(日本語にするとどちらも葛藤ですが...)のない物語は、見たり読んでいる最中は面白くとも、終わったらあっさりと頭を通り過ぎてしまいます。シンプルな物語だと、解釈の余地や疑問提起がなく、その場で全て解決されてしまうので、あまり余韻が残りません。

かといって、話が重ければよいのかというと、そうでもないのが難しいところ。高校生の頃、ロンドンでBlood Brothersというミュージカルを見ましたが、つまらなさと重たさのあまり眠りこけてしまいました。大人になった今見たら、もう少し面白いのかもしれませんが、当時はすっかり退屈してしまったようで、眠りこけたこと以外印象に残っていません。同じ高校生の頃、ニューヨークでみたキャッツには大感激して、どうやったらニューヨークで働く大人になれるのか、本気で考えたのと比べると、えらい違いです。
話のテンポ、流れ、曲やダンスの美しさ、背景や衣装に小道具といった装置類、そして肝心のキャスト。いろいろと条件が揃わないといけないのが、舞台の難しいところです。

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ロンドンでBilly Elliot the Musicalを上演中のヴィクトリアパレス劇場。1550人収容します。
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ニューヨークでBilly Elliot the Musicalを上演中のインペリアル劇場...と書こうとしたら、2012年1月でこちらの劇場では閉幕していたことに今気づきました。あー、二年前に見ておいてよかった。2013年6月までは北米ツアーをアメリカ、カナダ各地で行っています。


...とか何とかかんとか、自分の好みを語りましたが、サウンドオブミュージックより上位のミュージカル(独断と偏見に基づいたランキングはこちらから)は、どれも見てよかったと思ったものばかり。ウェストエンドとブロードウェイの主要ミュージカルを見てがっかりすることは、よほど運が悪い限りあまりないのでは、と思います。リバイバルしたてやほやほやの新作で評価が定まっていないものを避け、ロングラン中のものを選んだら、とりあえず外れはなさそうです。下位二つも、救いようがないほど心底がっかり。お金返して!...というほどではありませんでしたし。

旅行中に綺麗めな服装で劇場で非日常を味わうだけでも楽しいもの。堅苦しいのは苦手、という方は、ジーンズの方もミュージカルにはたくさんいるのでご安心ください。綺麗めな服装をお勧めはしますが。少しでも興味があれば、今は簡単にオンラインチケット購入することも出来ますので、旅行の記念にどうぞ。現地で安チケットを購入というのも手ですが、本当に見たい演目でしたら事前購入の方が見やすい席を確保できます。旅行会社に予約代行を頼むのも手ですが、オンラインで空いている座席をリアルタイムで確認しながら選べる劇場もありますので、こちらの方がお勧め。英語が苦手でなければ、チャレンジしてみてください。

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by monisha | 2012-07-12 22:00 | 舞台
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Prince of Wales Theatreの名の通り、緞帳にはチャールズ皇子の紋章が。

前回前々回の続きです。

第三位のマンマ・ミーアは、ABBAの曲とお母さんたちレディース三人組のパワーが印象に残りました。残念ながらリアルタイムでは聴いていないものの、ABBAの曲と言うとドラマやバラエティーのBGM等テレビの様々なシーンで使われていたり、会社でカラオケに行くと先輩が歌っていたりで、気づくと馴染みのあるものが多くなっています。一度耳にすると、覚えやすいメロディーばかりですし。ミュージカルで知っている曲が立て続けに流れると、嬉しくなってきます。隣りにすわっていたおばちゃん(推定50代?)なんか、嬉しさのあまりノリノリで、ずーっと小声で一緒になって歌ってました。...歌詞は概ね正しかったものの、すさまじく音痴で調子っ外れなので正直ちょっと迷惑でしたが。

お母さんたち"Donna and the Dynamos"はとにかくパワフル。以前ほど若くないかもしれないけど、太ったりボディラインがゆるくなったかもしれないけど、でもわたしたちはまだまだいける!十分魅力的なんだから!と歌で踊りで、全身でメッセージを発していました。筋書き自体、三人にそれぞれ新しい恋人を出来るという現役感を押し出したものですが、女優さんたちのほとばしるようなエネルギーから、そのメッセージをより強く感じました。見てる方もポジティブな気持ちになるような、元気さです。
お母さんたちの方が出番が多いということもありますが、娘たち三人組の出番のときと比べると、存在感とかパワーが全然違いました。迫力負けというか、貫禄負けというか。

ベテランならではの味ってあるなあとしみじみ感じる舞台でした。

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プリンスオブウェールズ劇場のバーは、曲線を使っていてエレガント。

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by monisha | 2012-07-11 21:54 | 舞台
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終演後の空っぽな劇場@ニューヨーク。先ほどまでの賑わいが嘘のように、静かです。

ここ五年間でロンドンに三回、ニューヨークに一回行き、その度舞台に行っているので、気づくと結構な数、ミュージカルを見ています。今回もマンマ・ミーア!に行きましたので、トータル9回。今まで見た中で、どれが一番よかったっけ?逆にいまいちだったのは?二年前にもランク付けしたことがありますが、そのときとの違いは?気になったので並べてみました。
そのときのキャスト、舞台の出来、そのときと今の自分の好みの変化など、様々な要因に左右される、独断と偏見に基づくランキングです。

1. Billy Elliot the Musical (’10 West End)
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2. Billy Elliot (’10 Broadway)
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3. Lion King (’10 Broadway)
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4. Mamma Mia! (’12 West End)
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5. Oliver! (’10 West End)
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6. Phantom of the Opera (’07 West End)
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7. Sound of Music (’07 West End)
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>
8. Sister Act (’10 West End)
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9. West Side Story (’10 Broadway)

七位までは観てよかった~ですが、ラスト二つは正直「......。うーん...」といったところです。

前回同様、ビリーエリオットの首位は変わりません。あまりにも好きなので、ロンドンで一回見ただけでは熱が収まらず、同じ年にニューヨークに行ったときも見たくらいです。同じ舞台を複数回見るのは、マシューボーンのスワンレイク以来。スワンレイクも大好き且つ衝撃的な舞台でした。
ビリーエリオットのロンドン版とニューヨーク版を比べると、わたしはロンドン版に軍配を挙げます。ただ、あまり公平な比較ではないかもしれません。最初に見たのはロンドンだったため、そのときの第一印象が強すぎて、その後他のものはどうしてもケチがつけたくなるのかもしれません。初恋の人を偶像化するようなもののような気もします。
なるべく客観的に二つを比べると、こういった違いがありました。

間のとりかた

すっごく微妙な差なんですけれども、セリフとセリフの間とか、沈黙の流れるシーンとか、ロンドンの方が間をゆったり使っている印象です。NY版では、こちらが噛みしめる前に舞台が進んでしまったり、答えが言われてしまうというか。トータルの上演時間はあまり変わらなかったように思うので、なぜそう感じたのか不思議ですが。

笑いのとりかた

最後の方で、ビリーがロイヤルバレエスクールからの自分宛封筒の表書きを読み上げるシーンがあります。
”William Elliot is queer...?” (ウィリアム・エリオットはクイア(変人/ゲイ)だって...?)と頭をひねるビリー。
“?......William Elliot Esquire!” (?......ばか、ウィリアム・エリオット エスカイア(殿)だろ!)と怒鳴るお父さん。
ビリーのとんでもない読み違いに観客大爆笑のシーンがあります。先ほどの間の取り方とも関連していますが、ロンドンでは観客もお父さんもお兄さんも一緒になって一瞬首をかしげるわけですが、NYではすぐさまお父さんが「お前、ちゃうやんけ!」とつっこみを入れる感じでした。
一番印象に残っているのは上記のシーンですが、ブロードウェイ版では全体的に「ほら、ここがおかしいところ!」「はい、笑いどきですよ!」と説明というか誘導というか、わかりやすくしている印象です。

北東部アクセントが弱め

ロンドンで舞台を見たときは「え、英語がわからへん...。どないしよ?」と戸惑うくらい、強いイングランド北東部のアクセントでどの俳優さんも話していました。が、NY版ではアメリカの観客を意識したのか、元々俳優さんもアメリカ人中心なのか、理由はわかりませんが、そんなにアクセントを効かせていません。もちろん、イングランド北東部を意識しているのはわかりますが、あまり強烈ではありません。
ロンドンでは最初「わからへん...(泣)」となったわけですが、訛りは聞いていると慣れてくるもの。この単語はこう、このスペルだとこう発音されるんだな、と代表的なパターンが一旦飲み込めたら、後はどんどん耳に入ってくるようになります。ロンドン版を先に聞いてしまうと、NY版は映画の英語とは違いすぎて物足りない...となってしまいました。

今回の旅行でもう一度ウェストエンド版ビリーエリオットを見て、ブロードウェイとの違いは気のせいなのか、本当にわたしが感じたような違いがあったのか、検証したかったのですが、スケジュールがあわず残念でした。二年前には日本でも上演されるとの噂がありましたが(実際、エルトン・ジョンのホームページにもその旨記載されていました)、最近は話が途絶えてしまったようでとっても残念です。日本のお客さんにも絶対に受けると思うのですが。
気長に続報を待とうと思います。

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ライオンキング上演中のミンスコフ劇場から見た、タイムズスクエア。

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シアターディスクトリクトのすぐ横、NYのタイムズスクエアは警察官だらけ。だからこそ、観光客も安心して深夜まで騒ぐことが出来るのかもしれません。騎馬警官は、ケルンのカーニバルのパレードでも、フィレンツェでも見かけたことがあります。どこも観光客の多いところですね。

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by monisha | 2012-07-09 00:10 | 舞台
プリント屋さんは11時オープンのはずでしたが、実際にはその時間にはまだシャッターが下りたまま。そこで、お店の周りをブラブラするうちに、母はある出会いをしてしまいました。

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それが、この17ピース25ポンドのティーセットです。内訳はカップ&ソーサーが5セット、サンドイッチプレートが2枚、取り皿が5枚です。こちらは手塗りとはいえ、模様から色がずれていたりするし食器裏の刻印も薄いので、元々高級品ではなさそう。でも、紺とオレンジの色合わせが賑やかかつ上品でいい感じ。ストールのおじさんは、1920年代製、スタフォードシャー産、伊万里の影響を受けたものと説明していました。...本当かどうかわかりませんが。でも、素人がアンティークを買うのは転売して後々儲けようと思っているからではなく、自分が気にいったものを手元に置きたいという気持ちからだと思うのです。値段もたいしたことないし、これは是非買いたい。

「このセット、お願いします」常日頃、食器は倉庫に一部しまわないといけないくらいたくさんあるから、もうどんなに気にいっても買わない!と宣言しているわりには、母はあっさり買ってしまいました。

ですが、買うは易し、持って帰るは難し。持って帰るのには相当苦労しました。まず、ホテルまでの道のりにお店でもらった普通のスーパーのビニールでは不安。この重たさにあの薄っぺらいビニールが耐えられるとは思えません。そのため、近くのマークス&スペンサーで急遽エコバッグを買いました。ホテルまではいいのですが、これからのパリまでの道のりや帰りのフライトに、新聞での包装だけでは不安。そこで、わたしがスーツケースに入れていたエアーパッキンで一枚一枚包み直して、帰国の際には手荷物にして...とかなり神経を使っていました。食器って割れやすいだけではなく、意外と重いんですよねえ。アンティークマーケットは一期一会とはいえ、食器のセットを買われる際には十分ご検討を。

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ストールの様子。ガラス製品もシルバーウェアもあります。カップ&ソーサーのような陶磁器は少なかったです。写真を撮らせてよ、と頼んだら「恥ずかしいから勘弁してよ~」とのことでした。残念。

テーブルウェアセットを買ったストールの店主さん、とても楽しい方でした。テーブルの上にいっぱいに広げられたシルバーにわたしが興味を示し、これは何に使うもの?あっちは?と次々に指差す度答えてくれました。
「これはゆで卵を運ぶもの。朝食の時に執事が準備しただろうね」
「これはご存知、アフタヌーンティースタンド。こっちもバトラーかって?いやいや、こっちはメイドが運んだだろう」
「こういったシルバー磨きはフットマンの仕事さ」
「これは何の道具か検討つかないだろう?(爪楊枝の親玉か、串のようなものを指して)くるみを割った後に、食べるためのものだよ。これでほじるんだ」
...といろいろ説明してくれました。
商売でやっているのはもちろんですが、ご自身も歴史やアンティークが好きなんだろうなと伝わってきました。仕事を楽しんでいる方と会話すると、こちらも楽しくなってきます。

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これがゆで卵専用トレイとスタンド。オードブルを入れるものかと思った...。とおじさんに言ったら、「オードブルだって?はっはっはっは」となぜか大爆笑されました。えー、だってシュリンプカクテルとか入ってても不思議じゃなさそうですよ?

わたしが買ったのは、こちら。何かわかりますか?
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よくあるものはこういう形をしています。
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正解は、トーストホルダーです。ヨーロッパっぽいアンティークの朝食グッズがほしくて、でも普通の外見のものだとデパートで売っているようなものと変わらないので面白みがない...と思っていたところ、アールヌーボーを意識したこちらをみつけたので購入しました。

「えー、でもトーストが薄いとすぐに覚めるし、最初に何枚も焼くよりその都度の方が美味しいんちゃうの?」と母。...まあ、たしかにそうかもしれんけど、わたしはヨーロッパぽいものがほしいの!
「何枚一人で食べる気なん?いいけど、よう食べるねえ。それに普段の朝にそんな時間ないでしょ?」こういうホルダーにトーストを挿す場合は対角線上に食パンを半分に切って三角形にするもの。だから二枚でも実質一枚だから、そこまではたいしたことないって。たしかに平日はそんな時間ないけど、週末に優雅なブランチって素敵やん。
「それに、そんな薄いパンどこで売ってるの?」ベルギーでもドイツでもそうでしたが、ヨーロッパで食パンを買うと決まって薄切り。厚切りを食べようと思ったら、ホールでかって自分で切るしかありません。逆に、日本で食パンを買うと必ず集め。一体なぜ?...もう、本人気にいってるんやし、なんでもええやん!トースト立てに使わんかったらカード立てにでもするわ!
「ま、好きにし」好きにしますとも!

ということで手に入れた20ポンドのトーストラック。実際にトーストを入れたことはまだありません。

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by monisha | 2012-07-07 21:57 | London
一方のカムデン。二年前にロンドンに来たとき(ロンドン旅行3~アンティークプリント前編ロンドン旅行4~アンティークプリント後編)ここにあるアンティークプリント屋さんで何枚か銅版画を買ったのですが、今回も同じお店に行きたくて再訪しました。
行ってみたところ、今回も空いてましたし、同じおじさんがいました。前回の写真通りのお姿です。...ひげの長さすら、ほとんど変わっていないような。でも、お店の中自体は前回より整理されて探しやすくなっていました。

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ひげは変わってないけど、髪は少し短くなっているようです。前回、この写真を撮ったんですよ!そう言ってデジカメのプレビュー画面を見せたら、笑っていました。「定点観測かい?」とのこと。

今回わたしが買いたかったのは「リージェンシー(摂政時代)の1811-20頃によく知られていた建物で、なるべく現存するもの」です。ロンドンの風景がまとめられている棚で、特にメイフェアのタブがついているあたりにあるのではと目星をつけたところ、ありました!


ナポレオン戦争、とくにワーテルローの戦いでの勝利で知られる、初代ウェリントン公爵の住居、アプスリーハウス。これはちゃんと現存し、今は博物館として公開される一方、現当主である第8代公爵の私邸でもあります。ロバート・アダムによって1771-78に建てられた後、ウェリントン公爵の手に1817年に渡りました。
「ほほう、アプスリーハウスかい?ここは今は博物館になっているから行くと楽しいと思いますぞ」ええ、今日の午後に行く予定なんです!
「ほう、そうか。階段のところにある大きなナポレオン像が有名でな」すっごく不思議なんですが、なぜ自分の宿敵ともいえる相手の像を自宅に飾ったんでしょうか?わたしだったら嫌いな相手のものを飾るのイヤだなあ。
「さあのう。それが英国風のユーモアのセンスか皮肉というところじゃろう」...わかったようなわからないような。
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English Heritageのサイトにある現在のApsley House。
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そして、1829年に出版された銅版画。角度は違うけれども、当時の姿のままです。

ドルリー・レーンのシアター・ロイヤル。初代が建てられたのは1663年ですが、その後火事で1674年に二代目が建造、古くなりすぎたため1794年に三代目が建造、そして再度の火事で1812年に建て直されたのが、現存する四代目です。今は「シュレック・ザ・ミュージカル」を上演中。2010年にここで「オリバー!」を見ましたが、趣のある素敵な劇場でした。
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2010年のシアターロイヤル。当時はオリバーを上演中でした。
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1828年出版の銅版画。これも角度が違いますが、当時の姿をある程度留めています。この絵でいうと、馬車の上くらいの位置に現在はネオン看板があります。

セント・ジェームズ・パーク沿いにある、カールトンハウステラス。こちらはリージェンシーに知られていたのではなく、リージェンシーの終焉と同時に誕生した建物です。ジョージ四世は皇太子時代、つまり父のジョージ三世の時代には同じ場所にあったカールトンハウスに居住していました。が、王位に就いたときにはバッキンガムを住居とすることに。そのため、カールトンハウスは取り壊され、このカールトンハウステラスが新しく建造されました。
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チャリングクロスにあった、キングスミューズこと王立厩舎。1825年にバッキンガム宮殿へと移転し、現在は影も形もありません。あれ?リージェンシーの頃の有名建造物で現存するものという、本来の目的から外れてだんだん外れてきたような...。ま、いいや。現在はナショナルギャラリーのあるトラファルガースクエアから、ミュージカルの安チケット販売で有名なtktsのある、現在のレスタースクエアのあたりにかけてあったそうです。この版画にある建物は1732年に建てられました。
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現在のナショナルギャラリー。ここに馬や馬車がたくさんあったとは想像しづらいくらいの賑わいです。

目的とはちょっと違うものもあるけれども、大満足。版画が刷られたのは少し時代が下ってヴィクトリア朝に入ってからですが、それでも150年以上昔のもの。そんなに昔のものを普通に手にとって気軽に買えるだなんて、不思議な感覚です。一枚15ポンド前後という価格が高いか安いか妥当かは人によって異なると思いますが、わたしにとっては嬉しい買い物。まとめ買いしたら、少し値引きしてもらえるし。カムデンだけではなく、ロンドン中心部にもアンティークプリント屋さんは何軒もありましたが、どこも敷居が高くて気軽に入れる雰囲気ではありませんでした。元のプリント自体ももっと高級感があるし、保存状態もよいのですが、その分価格も一桁は違いました。気軽に19世紀の雰囲気を味わいたいけどそんなに高いのは価値がよくわからないのにもったいなくて...というわたしにはピッタリのお店です。何年か後になんでも鑑定団に出したら驚異の高値に!...となるものでは決してないとは思いますが、アンティークの価値ってどれだけ自分が満足できるかなのではと思うので。

母はハイドンが通ったというハノーバースクエアのセントジョージ教会の版画を手にし、喜んでいました。前日に現地に行ったところ、工事中で雰囲気がいまいちだったんですよね...。版画の中では美しく静かな姿でした。高級住宅地だったメイフェアという土地柄、貴族をはじめ多くの上流階級の結婚式が行われた教会です。

部屋に飾りたいので額装しないと、とは思っているのですが、額代の方が高くつきそうでいまいちふんぎりがつきません。もし買うんだったら神保町のすずらん通りの清泉堂でお願いしたいと思っているのですが、最近は東京出張がなくなったし...。以前勤めていた会社が神保町にあったため、すずらん通りにはよく行っていたのですが、清泉堂ではなかなか見かけないような素敵な額がたくさん店頭やウィンドーに置かれていました。いつになるかわからないけど、ロンドンに行くよりは東京の方がよっぽど近いし、版画に似合ったマットと額をいつか清泉堂で購入したいものです。

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シアターロイヤルの階段。客席もかなり広く、素敵な劇場です。オリバーやらシュレックやら、子ども向きの演目が続いているのが不思議なくらい、劇場自体は落ち着いた雰囲気でした。

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by monisha | 2012-07-06 21:45 | London
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ロンドンでは、二か所のアンティークマーケットに行きました。バーモンジーとカムデンです。二か所のうち、わたしのお勧めはカムデンの方。楽しく買物でき、行ってよかったと思いました。
...これだけではたったの三文で終わってしまうので、さすがにもう少し詳しく書きます。

最初に行ったのはバーモンジー。早朝にこそいいものがある、元々はプロ向けのマーケットということだったので、かなり期待していました。駅から現地に向かう際、少し道に迷ったりしたので、マーケットに着いたのは午前7時過ぎでした。で、感想ですが...昔はプロ向けだったのかもしれませんが、今ではお客さんは普通の素人だらけで、ストール(屋台)の人たちも、それをわかっているんだろうなあと思いました。そう思った理由はいくつかあります。

①全体的に価格が高め。
わたしはもちろんプロではないので、銀製品の本当の価格相場とか、ものの良し悪しはわかりませんが、後に行ったカムデンより総じて価格は高めでした。バーモンジーで50ポンドくらいのシルバーが、カムデンだと40-45ポンドくらいの印象です。ひょっとしたら質が違うといった理由があるのかもしれませんが。でも、バーモンジーのものが飛びぬけて美しい!いい!とはさっぱり思いませんでした...。

②ストールの人の対応。
テーブルウェアを扱う、あるストールでのこと。日本人はウェッジウッド好きとのイメージがあるのか、お店の人にしきりに「いいWWあるよ~」と言われました。格別WW好きというわけではありませんが、冷やかしでのぞいてみました。
「お客さん、それはハンドペイントの高級品。古いものよ~」...どう見ても手塗りではなくプリント。印刷の網点の見えるハンドペイントなんてありえないと思うのですが。
「気になるのがあったら言ってね。値段を教えるから」あー、いえ、見てるだけなので結構です。
「そう?うちのはすぐに売れちゃうから気になったのは今のうちよ」なんだか無理やり買わせようとしているみたいで、いまいち首をかしげたくなる押しの強い接客です。
ひとつのストールでの出来事でしたが、マーケット全体の印象が悪くなりました。「日本人だったらウェッジウッドなら何でもいいんでしょ」と思っているのでは、とひしひしと伝わってきました。

③全体的に魅力的な品物が少ない。
ショッピング大好きなわたしは、大抵のお店やマーケットでは何かしらほしいものをみつけます。物欲が強いだけやん、と家族からはよく言われますが。何もほしいものがない、というと逆に「どうしたん!」と驚かれるほど。
そのわたしが、このマーケットではほしいと思うような素敵なものをほとんど見つけられませんでした...。時間が遅すぎた?とも思ったのですが、これから店開きを始めるところもあったので、極端に遅かったようではないようです。ストールの数も少ないし、どのストールも何だかパッとしないんですよねえ。
唯一買ったのは、シルバーのペンダントトップ。重さによって値段を決めていて、ひとつ5-6ポンドくらいでした。でも、これはアンティークではないと思います。ただの可愛いアクセサリーです。

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バーモンジーのあるストールにて。このおじさんは、親切に対応してくれました。曾祖父、わたしの母の祖父が1920年代に鉄鋼の勉強をするためにシェフィールドに留学していたのですが、ちょうどその頃にシェフィールドで作られてシルバーのナイフセットがあったため、母は喜んで買っていました。
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「今まで忘れてたけど、こんな感じのケースに入ったナイフとかフォークとかあったわ~。おじいちゃん、現地で買わはったんやろうね」わたしが生まれる遥か前に亡くなっているので、写真を見たことくらいしかない、ひいおじいさん。ひょっとしてわたしのイギリス好きはひーじーちゃん譲り?

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by monisha | 2012-07-05 00:20 | London